ブラウン管の中の彼女
「よろしくな?み・は・や・ちゃん?」
妖しい笑みに背筋がゾクッとした。
実早だってバカじゃない。
なんとなく気がついてる。
実早はこいつに好かれてない、っというか嫌われてる。
理由はわからないけど…。
それに樺摘が来てからの祐ちゃんの様子も気になる。
元気がないというか…沈んでいるというか…。
原因は樺摘にあるのは明白だ。
それなのに一緒に収録だなんて…。
いやな予感はたちまち増幅し、実早に暗い影を落とした――…。