ブラウン管の中の彼女


「それが最近弟みたいに可愛がってた甥っ子に余計なゴミがついたみたいでね。それを取り除くまで芸能界復帰なんて考えられないな」


最後に目を細めて実早を見下すこの男に感情なんてものは一欠けらも見られなかった。


実早はゴミ扱い…?


「あ…ありがとう…ございました…」


それを最後に実早と樺摘の対談は終わった。









「待ちなさいよ!!」


実早は帰ろうとしていた樺摘の前に両手を広げて立ちはだかった。


「さっきのはどういう意味よ!!」


「言ったとおりの意味だ」


樺摘は面倒くさそうに実早の横を通り過ぎようとした。


「お前は祐一郎に相応しくない」


その言葉に実早の顔がカッと赤くなった。


「なにを根拠にっ!!」


ムカつく!!実早と祐ちゃんのなにを知ってるっていうのよ!!


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