ブラウン管の中の彼女


「ただいま…」


樺摘に言われたことが頭から離れない…。


実早のなにが相応しくないの?


自分で言うのもなんだけど、ずっと祐ちゃんのことだけ思ってきた。


その気持ちは誰にも負けない自信がある。


「おかえり、実早ちゃん」


ほら、その証拠に祐ちゃんの姿を見るだけで愛しさがこみ上げてくる。


「祐ちゃ~ん…」


実早はソファーから顔を覗かせた祐ちゃんの首に抱きついた。


「どうしたの…?」


優しく頭を撫でるその感触さえ愛おしいのに――…。


「実早は祐ちゃんに相応しくないのかなぁ…」


さっと祐ちゃんの顔色が曇った。


「……樺摘さん?」


実早はびっくりして祐ちゃんから離れた。


「なんでわかったの…?」


「やっぱり…」


祐ちゃんは珍しく眉をしかめた。


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