ブラウン管の中の彼女
「祐一郎、あいつはやめとけ」
樺摘さんの口調は宥めるように優しかった。
「なんでだよ…っ…!!樺摘さんだって知ってるだろ!?僕と実早ちゃんは小さい頃からずっと一緒で…「だからだ」
僕は驚いてハッと樺摘さんの顔を見た。
「実早はお前に近すぎる」
「どういう意味だよ…!!」
その問いには答えてくれなかった。
「寝る。飯が出来たら起こせ」
樺摘さんはイライラと頭をかいた。
「僕は実早ちゃんが好きだよ」
樺摘さんの背中はやっぱり答えてくれなかった。
最近、樺摘さんとする会話はこんなものばかりだ。