ブラウン管の中の彼女



そうやって自分を押し殺していくしかなかった。


親の望む良い子でいられるはずがなかったのに―…。


まあ、俺はこの通り。


その反動なのかその後の人生で多少ヤンチャした。


でも祐一郎は違う。


生来の性格なのか人と争うことを好まずひたすら優等生を続けている。


人の望みを先に叶えようとする。


その気持ちを一番利用しているのは


………実早だ。


だから俺は実早が嫌いだ。



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