ブラウン管の中の彼女
とりあえずこれでいいかな…?
香川さんも実早ちゃんに振り回されているだけあってなんとなく親近感が湧いてしまう…。
僕はポケットに携帯をしまうと、いじけてつまんなそうにしている実早ちゃんの隣に座った。
「どうしたの…?」
実早ちゃんが仕事を抜け出すことは殆どない。
だから何かあったはずだ。
香川さんが来るまでに仕事に行けるようにしないと…。
「……監督がね…これだから顔で売れてるやつはだめだって言ったの…」
実早ちゃんはクッションをギュッと抱きしめながらぶすっと言い放った。
「ふ~ん…」
「ふ~んってそれだけ!?他に何かないの!?」
実早ちゃんは口を尖らせ僕を見た。