ブラウン管の中の彼女
えっと…ここは削れて、こっちはもっと時間とったほうがいいな。
「なにしてんの~?」
「ん―?文化祭のプログラム作り…」
「忙しそうだね~」
「ん―…」
ってあれ?
僕は机から声の人物に視線を移した。
「み…福永さん!!」
「最近、忙しそうだよねえ~?」
首を傾げながら問いかける姿に目を奪われていたのはきっと僕だけじゃない。
「ああ?なんか皆忙しいみたいで頼まれちゃって」
頼まれると断れない性格なんです、はい。
「無理しないでね~?」
「うん。気をつけるよ」
僕はこのとき知る由もなかった。
福永実早の影響力がいかにすごいものか…。
それを知ったのは翌日のことだった。