ブラウン管の中の彼女
「だって実早ちゃんが自分でそう思ってる訳じゃないんでしょ?」
「そうだけど…」
まだ実早ちゃんは何か言いたげだ。
「実早ちゃんが自分にちゃんと自信を持ってればいいと思うよ?」
なーんてね。
僕が言うセリフじゃない…か…。
実早ちゃんのことでうじうじ悩んでいる僕が言っても説得力がない。
「祐ちゃん…」
実早ちゃんは悩んでいた顔を上げ、そして…
「ありがと!!」
満面の笑みを浮かべる。
素直で可愛いなあ…。
「どういたしまして」
実早ちゃんの影響なのか僕の顔も綻んだ。
「それでね…祐ちゃん…実早、祐ちゃんに言いたいことがあるの…」
実早ちゃんの瞳が揺れる。
言いたいこと…?