ブラウン管の中の彼女


「それって“実早会”の会員の仕業じゃない?」


灘さんの口から聞きなれない単語が出てきた。


「実早会…?」


「福永実早の学校生活をひっそりささやかに見守ろう会。通称“実早会”」


太一は人差し指をピッとたてた。


「それって最初から実早会でいいじゃん」


「そういう突っ込みはなしの方向で!!」


「ハイハイ、説明を続けて」


パンッと灘さんが手を叩いた。


気を取り直して太一が説明を続ける。


「実早会の構成メンバーはその殆どがこの高校の男子生徒であり、福永実早の熱狂的なファンである。活動内容は主に福永実早を見守ること。はい、質問は?」


突っ込みどころありすぎてどこから突っ込んでいったら良いのかわかんないな…。


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