ブラウン管の中の彼女


「はい、質問」


僕は手を挙げた。


「はい、祐一郎君!!」


教師になりきった太一は結構ノリノリだった。


「その実早会とこの大量の雑用と何の関係があるんだ?」


その質問には太一の代わりに灘さんが答えてくれた。


「実早会は祐君を目の敵にしているのよ」


「そっ!!祐と実早の仲がいいのを羨ましがって妬んでるんだよ。実早会なんて“抜け駆けしたらぶっ潰してやるからな、お前!!”って言ってるようなもんだろ?」


太一はどこが楽しいのかケラケラと笑った。


「さっき祐君が名前を言った3人は校内でも有名なみーちゃんファンだよ」


ああそれで…。やっと点と線が繋がった。


「あの3人も実早会の会員なのか…」


それにしても嫌がらせにしては地味だな…。


僕は書類の束を見た。



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