ブラウン管の中の彼女
「女の嫉妬は可愛いもんだけど、男の嫉妬はねちっこいよな~」
太一はうんうんと頷いていた。
「太一、あたし嫉妬なんてしたことないけど?」
灘さんはギロリと太一をにらんだ。
「やだな~依夜ちゃん!!たとえだから!!」
にへっと笑ってさらりとかわす。
僕にもこんな芸当が出来たら仕事を押し付けられることもなかったんだろうな…。
今更ながら自分の不器用さが嫌になった。
「これ以上、実早会を敵にまわしたくないならみーちゃんと話すのは控えたほうがいいかもね」
じゃあねと言い残すと灘さんは自分の教室に戻っていった。
実早ちゃんとの会話を控えろか…。
……実早ちゃんが素直に言うこと聞くはずないと思うけど。