ブラウン管の中の彼女



「何…?」


実早ちゃんは俯いてた顔を上げ、真っ直ぐ僕を見た。


まさか…もう用済みとか…?



「実早…祐ちゃんのことが…す…「実早すわあ~ん!!」



突然僕の視界は遮られた。


そう…。


香川さんによって…。


「どこ行ってたんですか!!心配したんですよ!!」


香川さんは実早ちゃんの体に抱きつきスリスリと頬ずりをする。


男だったらセクハラで訴えられそうだ…。


「香川ちゃんの…」


実早ちゃんの体がフルフルと震えだす…。


まずい…っ!!


「バカ―――っ!!」


近所迷惑とも言えるような大音量とともに香川さんの頭に実早ちゃんの拳が炸裂した。




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