ブラウン管の中の彼女



「……手伝う」


実早ちゃんほどではないけど塚原さんだって今をときめく芸能人のうちの一人だ。


僕は焦った。


「え!?いいよ!!大丈夫だから!!」


塚原さんは僕のことなど完全に無視してどんどん歩き出す。


「……早くしないと…暴れる…」


それは早く行かないと実早ちゃんが暴れだすって意味でいいんですか…?


「…とめるの……あたしだから……」


塚原さんは最後に言葉を付け足した。


気を使ってくれてるのかな…?


僕は塚原さんの好意を素直に受け取ることにした。


「持つならこっちのほうが軽いよ」


若干少ないほうの山を渡す。


やっぱり女の子に重いものを持たせるのはさすがに気が引けた。


「…ん…」


塚原さんは僕が示したほうの山を持った。


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