ブラウン管の中の彼女
「俺たちに黙って実早さんの写真撮ろうなんていい度胸してんな?」
多数の生徒が一人の男子生徒を取り囲むようにして立っていた。
「ごめんなさい!!許してくださいっ!!」
取り囲まれた生徒は半泣きになりながら土下座していた。
「……実早のファン……」
塚原さんはボソッと呟いた。
「ホントにあったんだ…」
実早会…。
こうしてその存在が明らかになると何とも言えない。
「俺たちの許可なしに実早さんに近づけると思うな!!」
実早会の会員達は寄ってたかって男子生徒を蹴りだした。
周りのギャラリー達は止めることもなくただその様子を見ていることしか出来なかった。