ブラウン管の中の彼女



「誰だって憧れの人がすぐ傍にいたら近くに行きたいって思う。それは誰かの許可が本当にいるのか?」


頭のどこかが冴えていて今の僕は止められそうにない。


「はあ?」


薄く笑いながら一人の男が近づいてきた。


「お前、間宮だな」


「だったらどうだって言うんだよ」


その男がリーダー格らしい。


「俺達が一番ムカついてんのはお前だよっ!!」


言い終わらないうちに頬に拳が飛んできた。


ざわっと周りがどよめきだす。


両足に力を入れて立っていたおかげで吹っ飛ばされずにすんだ。


「今度俺達にたてついたら二度と実早さんの前に現れられないようにしてやる」


賢いお前ならわかるよな?と念を押して彼らはどこかへ消えていった。



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