ブラウン管の中の彼女



「仲紗の言うことももっともだと思ったの…。実早のせいで祐ちゃんにも迷惑かけてるし…」


どんどん俯いていく実早ちゃん。


こんなに反省してる姿を見たらどんなことだって許したくなる。


「僕、迷惑だなんて思ったことないよ?」


「ホント?」


「うん」


実早ちゃんはぱあっと顔を輝かせたかと思うと今度はスカートの裾を握り締めた。


「あのね…?学校じゃダメだから今からギュってして?」


みるみるうちに赤く染まる頬。伏目がちな瞳は照れのせいか潤いを増していった。


「いいよ…」


僕は文庫本にしおりを挟みテーブルに置いた。


おいでっと手招きをして隣に座らせる…つもりだったけど実早ちゃんがそんな常識的な行動するわけがない。


躊躇うことなく膝の上に乗っかってきた。


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