ブラウン管の中の彼女
哀れな…。
頭の上に星が浮かんでいる香川さんを見て何となく手を合わせた。
完全にアウトしてしまった香川さんを実早ちゃんはズルズルと引きずっていく。
「そう言えば、実早ちゃん…さっき何て言おうとしてたの…?」
最後の方がよく聞こえなかったんだよね…。
「えっ!?あれ?わかんないや~?何て言おうとしてたっけ~?」
アハハと実早ちゃんは妙におどけた感じになった。
「……?」
こんなに短期間で忘れるものかな…?
「実早ちゃん、ところで…顔赤くない?」
熱でもあるのかなあ…?
さっきから顔が赤い…。
『えっ?全然…?』
そう言う実早ちゃんの目の焦点は全然合ってない。
ほら!!やっぱり!!