ブラウン管の中の彼女
「祐ちゃん…なんか変だよ!!」
ジイーッと見上げられる。
その瞳には僕への疑惑が映っていた。
「実早に隠し事してない?」
ギクッ!!
「実早は祐ちゃんのことなら分かるんだから!!」
「って実早ちゃん!!声大きいから!!」
いくら昼休みだからってここに誰も来ないって保証はない。
その証拠に僕たちがいる。
こんなところを実早会の人に見られたら色々とまずい。
「祐ちゃんが何にも言ってくれないからでしょ!?」
なおも声を荒げる実早ちゃんに僕も覚悟を決めた。
っあーもー!!
どうにでもなれ!!
半ばやけになった僕は声を隠すように実早ちゃんの唇を塞いだ。
そして包み隠さずすべてのことを話した―…。