ブラウン管の中の彼女


「祐ちゃん…なんか変だよ!!」


ジイーッと見上げられる。


その瞳には僕への疑惑が映っていた。


「実早に隠し事してない?」


ギクッ!!


「実早は祐ちゃんのことなら分かるんだから!!」


「って実早ちゃん!!声大きいから!!」


いくら昼休みだからってここに誰も来ないって保証はない。


その証拠に僕たちがいる。


こんなところを実早会の人に見られたら色々とまずい。


「祐ちゃんが何にも言ってくれないからでしょ!?」


なおも声を荒げる実早ちゃんに僕も覚悟を決めた。


っあーもー!!


どうにでもなれ!!


半ばやけになった僕は声を隠すように実早ちゃんの唇を塞いだ。


そして包み隠さずすべてのことを話した―…。



< 214 / 280 >

この作品をシェア

pagetop