ブラウン管の中の彼女



「さっきクラスの女の子から実早のファンがいじめみたいなことしてるって聞いたの…」


ギックン!!


そんな心臓の音が聞こえてきそうだった。


「でも実早、そんなの信じられなくて…」


実早ちゃんはまたポロポロと涙を零した。


「あなたは誰かをいじめたりしてないよね…?」


穢れのない瞳で見つめられた実早会の人々はうっと苦しそうに胸を掴んだ。


「もちろんです!!そんなことしてません!!」


嘘つけ!!


「じゃあもし見かけたらとめてくれる…?」


実早ちゃん上目遣いされたらたまらない。


「はい!!喜んで!!」


実早会の面々は顔を赤くして元気よく返事をした。


実早ちゃんが唇の端を上げたのを僕は見逃さなかった。



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