ブラウン管の中の彼女



「それで…」


いーちゃんはコホンとひとつ咳払いをした。


「祐君には相談してみたの?」


「ううん…」


実早は首を横に振った。


「実早が祐ちゃんだったらあんまり聞きたい話じゃないから…」


「……逆…効果…」


珍しく仲紗が自分の意見を発した。


「……実早が…相談しないほうが…ショック……」


人の話を聞いてるんだかわからなかったけどキチンと聞いていたらしい。


「仲紗ちゃんの言うとおりだね。祐君だってみーちゃんの仕事のことだから分かってくれるよ」


「ホント…?」


そう聞くといーちゃんはいきなりブッと吹き出した。


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