ブラウン管の中の彼女
「実早~覚悟は決まった~?」
今すぐその口塞いでいただけますか?
「ママ!!何しに来たのよ!!」
「何って……仕事の話」
さも当然と言わんばかりばかりに腕を組む。
仕事仕事って…。
「嫌だって言ったじゃない!!」
「それじゃあ祐くんと別れるのね?」
「実早ちゃん…何の話…?」
祐ちゃんは話の内容がわからなくて眉をひそめた。
「実早の仕事の話よ」
ママはイライラしながらため息をついた。
「実早がどうしてもキスシーンが嫌だって駄々こねてるの」
ママはドサッとソファーに座って足を組み合わせた。