ブラウン管の中の彼女



「実早ちゃん…本当…?」


実早は顔を伏せて小さくうなずいた。


祐ちゃんは実早の肩に手を置いて屈んだ。


「困らせたらいけないよ?実香さんが言うように仕事なら責任は果たさないと…」


目線は同じになったのに考え方は違うみたい。


何で…?


何でそんなこと言うの?


「祐ちゃんは実早が他の人とキスして平気なんだっ…!!」


ポロポロと涙が溢れてくる。


ママが何言ったって祐ちゃんだけは味方でいてくれるって思ってたのに…っ…。


「違うよ!?」


祐ちゃんは慌てて涙を拭ってくれた。


「確かに実早ちゃんと他の人がキスするのは嫌だよ?でも実早ちゃんには真剣にお仕事に取り組んで欲しいって気持ちの方が大きいんだ」


わかる?っと心配そうに聞いてきた祐ちゃんに実早はまた小さく頷いた。



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