ブラウン管の中の彼女
「まあ、相手は自由に指定していいから精々、祐くん似の俳優を指名するのね」
仕事に傾きかけていた心が一気に動いた。
「なによそれ!!」
ママってホントにムカつく―――ッ!!
「あら、慰めたつもりなんだけど?」
ママはケラケラと実早をバカにしたように笑った。
この人はホントに実早の母親ですか?
もう怒ったんだから…っ!!
「実早、祐ちゃんじゃなきゃ嫌っ!!」
実早は勢いよく祐ちゃんの腕にしがみついた。
「はっ!?」
「祐ちゃんとならいくらだってキスするもん♪」
ん~と唇を突き出してキスをねだると祐ちゃんは顔を真っ赤にした。
「ちょ…っ…実早ちゃん!!無茶無茶な…!!」
「無茶じゃないもん!!」