ブラウン管の中の彼女
「あ~あ…祐ちゃんまだかな~」
ママが、呼びに来るまで絶対見るなって言うから我慢してるのに…。
実早は一刻でも早く、祐ちゃんの大変身した姿を見たかった。
「実早、祐くんの準備が…」
実早はママが最後まで言うのを待たずに扉から飛び出した。
廊下を走る。
「祐ちゃん!!」
祐ちゃんがいるはずの部屋の扉を少々乱暴に開けた。
「祐ちゃん…?」
だよ…ね…?
実早は入り口で躊躇ってしまった。
「実早ちゃん?」
メガネはコンタクトに。
ボサボサだった髪は綺麗に整えられ…。
着古したジーンズとTシャツは黒い細身のパンツと白いシャツに変わっていた。
か…。