ブラウン管の中の彼女
「祐ちゃ~ん」
実早は祐ちゃんにくっついてキッチンに入った。
実早は嬉しいんだけどな~。
祐ちゃんとの思い出がまたひとつ増えた―…。
「実早ちゃん、僕もう実早ちゃんのお願いでも2度とやらないから…」
祐ちゃんは本当に疲れきった顔をしていた。
「街中に僕と実早ちゃんのキスシーンが貼ってあるなんて…」
限界だっと洩らすと祐ちゃんはジャガイモの皮をむき始めた。
この時、実早も祐ちゃんも予想もしていなかった事態が起こるなんて…。
誰も知らなかった―…。