ブラウン管の中の彼女



「待ってっ!!」


祐ちゃんはエレベーターを待ってるところだった。


首だけをこちらに向けた祐ちゃんはやっぱり申し訳なさそうに実早を見るだけだった。


「なんで断っちゃうの!?実早と仕事するのが嫌?」


「だから…それは…」


開きかけた口をキスで塞ぐ。


拒絶の言葉なんて聞きたくない。


「実早はね、楽しかったよ!!仕事してるときはいつもひとりで…上手くできるかなって不安になることだってあった…っ…!!」


祐ちゃんの胸に顔を埋めて、声を押し殺す。


実早みたいな人間は乾電池と一緒。


使えなくなったら交換されるだけ。


実早の代わりなんていくらだっているから…。



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