ブラウン管の中の彼女



「でも祐ちゃんと一緒に仕事してるときは…不安なんて全然なくてっ…」


怖くなかった―…。


それは傍にいてくれたのが祐ちゃんだったから―…。


「実早はもう1回…祐ちゃんと…仕事したいですっ…!!」


何で泣いてるんだろう…?


祐ちゃんと仕事が出来ないのが悲しいから?


この世界にいるのが苦しいから?


わからない。


祐ちゃんは実早の頭に手を添えた。


「わかった…。その代わりこれが本当に最後だよ?」


実早は素直に頷くことが出来なかった。



“本当に最後“


そう言ったにも関わらず、最後がやって来ることはなかった―…。



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