ブラウン管の中の彼女
最後に祐ちゃんに会ったのは何時だろう…?
祐ちゃん単独で仕事が来たのは確か1ヶ月くらい前のことだ。
次々と舞い込んでくる仕事をすべて断るなんてことはママの力でもどうしようもなくて、祐ちゃんは渋々仕事を引き受けることになってしまった。
その頃からかな?
実早と祐ちゃんの生活は完全に分かれてしまった。
絵に描いたようなすれ違い。
ホントに笑っちゃう。
「実早さん、着きましたよ」
「はーい」
実早は香川ちゃんに促されるようにして車を降りた―…。