ブラウン管の中の彼女



「実早さ~ん!!お疲れ様で―す!!」


「香川ちゃんってホントに空気読めないよね…」


実早が今、ナーバスになってるのがわかんないのかしら?


香川ちゃんの無駄に大きい声が頭の中にガンガン響く。


「えっなんのことですか?やっぱりまずかったですか?」


段々と不安げな表情に変わっていく。


「香川ちゃん…うるさ「祐一郎くんにここの場所教えたらまずかったですか!?」


祐ちゃんにここの場所を教えた…?


香川ちゃんの言葉を反芻してみる。


それって…


祐ちゃんが実早に会いに来るかもしれないってこと!?


「でかした!!」


実早は香川ちゃんの肩をバシンと叩いた―…。



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