ブラウン管の中の彼女



実早は病院から祐ちゃんの家へと向かっていた。


佐和さんと祐也さんの代わりに祐ちゃんの着替えなどを用意するためだ。


滅多に家に帰らないあの2人より多分実早の方が祐ちゃんの家の内部に詳しい。


さっきから頭の中をリピートしているのは祐也さんのあの言葉。


心当たりはひとつ…ある。




“ひとりにしないで―…”




実早は祐ちゃんにそう言った。



それから変わらず忙しい日が続いて…またすれ違ってて…。


あれっ?


ようやく不審な点が見つかった。


おかしくない…?


祐ちゃんは引退しようとしていたんだから仕事は減っていくはずでしょ?







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