ブラウン管の中の彼女


「実早さ~ん。出番で―す。」


控え室の扉から出番を知らせる声


「は―い」


いけない、いけない。


まだ仕事の途中だった…。


祐ちゃんのために始めた仕事だけど、今では結構楽しんでたりする。


もともと性格にあってるたい。


祐ちゃんは私のこと…どう思ってるのかなぁ…?


こんなに大好きなのに――…。


やっぱり手のかかる幼なじみかなあ…?


はあ…。


言ってて虚しいわ…。


早く祐ちゃんに会いたい…。


収録もどことなく上の空香川ちゃんが必死になって合図を送ってたのが目の端に映った。


香川ちゃん…必死すぎ…。


両手を大きく振りながらクチパクで集中!!と言う様は24歳とは思わせぬ幼さ。


集中って言われても…。


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