ブラウン管の中の彼女
実早はどうしようもないくらい子供で、祐ちゃんのことを気遣うことすら出来ない。
だから祐ちゃんはそんな実早から離れられないんだ。
祐ちゃんは優しすぎるから…。
実早の望むことなんでもしてくれる。
実早はそれが当たり前のように思ってたんだ―…。
「祐ちゃん…実早、決めた…」
「えっ?」
実早は大きく息を吸った。
「祐ちゃんに頼らない」
甘ったれで何も出来ない実早とはもうお別れ。
仕事も他の事も、自分の力でやろう。
これからはもっとしっかりした女の子になる。
祐ちゃんの足を引っ張るのは嫌だもん。
そう意気込んでいると祐ちゃんが口を開いた。