ブラウン管の中の彼女


「祐一郎…」


実早は祐ちゃんの名前を呼んだ。


「実早って呼んで…?」


実早達は恋人同士。


対等でありたい。


「実早、顔上げて?」


実早は祐一郎の言うとおり顔を上げた。


間近に迫る祐一郎がすごく愛おしいの―…。


実早は眼を瞑って待った―…。










「おい、押すなって!!うわっ!!」


ドサッ!!


「「あ」」


実早と祐一郎は目の前の光景に呆然とした。


太一を始め、いーちゃん、仲紗、樺摘、ママ、佐和さん、祐也さん。


挙句の果てには香川ちゃんがハンカチで涙を拭っていた。



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