ブラウン管の中の彼女
「これ…どういうこと?」
気迫溢れる祐ちゃんに押された太一が取り繕うように捲くし立てる。
「いやっ!?みんな祐の様子見に来たら?部屋の中がいい感じのムードになったから…こう…なんて言うか…観察というか…見守ってたというか…」
「ただ単に覗き見してただけだろ」
はい、バッサリ。
寸分の狂いもなく祐一郎は太一を真っ二つにした。
太一はいっつも実早の邪魔するよね!?
体がワナワナと震える。
せっかくいい雰囲気だったのに―――っ!!
太一の……
バカ―――っ!!
「うおっ!!」
実早は動けない祐一郎の代わりに太一に得意の飛び蹴りをお見舞いした――…。