ブラウン管の中の彼女
あとがき
私が携帯小説を書き始めたキッカケは第1回日本ケータイ小説大賞の発表をニュースで見たことでした。
それから早数ヶ月、自分がこうして第2回大賞に応募するとは思ってもいませんでした。
大した文章ではありませんが真面目な作品が多い中、皆さんの息抜きになれたら幸いです。
クスリと笑ってもらえたら儲けもんです。
最後まで読んでくれてありがとうございました!!
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私の愛するもふもふファミリーよ!!この国を救うのよ!!
ダリアが生まれてすぐのことだった。空、山、森から七匹のもふもふがどこからともなくやってきて、赤ん坊のダリアを見守るように集まった。どんなに追い払ってもやってくる七匹を両親は気味悪がったが、七匹がダリアを狙った誘拐犯を捕まえると受け入れるようになった。
ダリアは成長するにつれ、七匹と己の秘密に気がついていく。
十七歳になったダリアは途方に暮れていた。父が事業に失敗し、七匹にかかる費用を削るように言われたのだ。
七匹を受け入れてくれる金持ちに嫁ぐか、自力でお金を稼ぐしかない。
ダリアは七匹と相談し、意を決して自分達を騎士団に売り込みに行くことにした。
騎士団を率いる団長キルグは大の動物嫌いで有名で、ダリアは話も聞いてもらえず門前払いされた。
何か方法はないかと騎士団の詰所を盗み聞きしたダリアは近隣の村が土砂崩れで埋もれたことを知る。ダリアは七匹の使う特殊能力で村を救う。
実はもふもふは世を忍ぶ仮の姿で、その正体は、ダリアに可愛がられたいが故にもふもふに変化した聖獣だったのだ!!
ダリア達の大活躍に村人はもちろん国王からも感謝が述べられる。
ダリアは一転して聖女と持て囃されしたり顔だが、キルグは心配そうだった。
キルグが危惧した通り、ダリアは七匹を援助したいと申し出たマーシュ伯爵から飼い猫殺害の罪を着せられた。ダリアはもふもふ達と引き離され人気のない山に捨てられる。
生まれて初めて七匹から引き離され心細くて涙するダリアを助けてくれたのは、キルグだった。
なぜ助けたのかダリアが尋ねると、キリグは過去を話し出した。実は動物嫌いなのではなく、キリグを噛んだ犬が殺処分されたことがトラウマになっていて、動物に近づきたくないだけだった。本当はもふもふが好きなのだと。ダリアは助かったら好きなだけもふもふさせるとキルグと約束した。
キルグとともにマーシュ伯爵の悪事を暴き、もふもふ達を取り戻したダリアは再び国王から感謝される。調子に乗るかと思われたダリアだが今度こそ懲りたのか、大人しく金持ちのもとに嫁ぐことを決心する。
七匹のために一生懸命なダリアに好感を持ったキルグは自分のところに嫁いでくるか?と尋ねる。ダリアの顔が真っ赤に染る。
こうしてもふもふファミリーにもふもふではない人間が加わることになった。
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領土改革に必要なのは私の覚悟と美味しいスイーツ!
クルス王国は代々女王が治める国である。
領土の半分が砂漠のクルスは、肥沃な大地を求めるが故に長年軍国主義に傾いていた。
女王をはじめとする王族の女性は一妻多夫制のもと、有能な軍人や頭の切れる参謀を婿にすることで覇権争いをしていた。
王宮の中で唯一、内政充実を提唱する第三王女、ルルッタは一妻多夫制に反発するように婿が一人もいなかった。かつてはルルッタの主張に賛同してくれる恋人もいたが、第一王女に寝取られ、孤立無援の戦いを続けていた。
ある時、ルルッタは己の婿探しのために開かれたボート遊び会で誤って湖の中に落ちてしまう。
溺れるルルッタが湖の底で見たのは古文書にしか存在しなかった水神、ゲイル(ふりふりエプロン姿!)であった。
翌日、ルルッタは自ら湖に飛び込み、ゲイルに懇願した。
「お願い、私と結婚して下さい!!」
水神として人々の身勝手な願いに辟易し、水底で引き篭もり生活を送るようになったゲイルは断る。
しかし、ルルッタはゲイルがスイーツ男子であると見抜くとこう食い下がった。
「私と結婚すれば、クルスの王宮で美味しいスイーツが食べられるわ」
「……いいだろう。ともに行かん!!スイーツの殿堂へ!!」
ルルッタの提案に俄然興味を持ったゲイルは結婚を承諾した。
ルルッタは隙あらばすぐ怠けようとするゲイルをスイーツで𠮟咤激励しながら、水神の力を使いまくり、砂漠を草地に変え、荒れ地を耕し、領土改革を行う。
国民のために生き生きと領土改革をするルルッタの姿にゲイルは次第に心を惹かれていく。
しかし、領土改革の功績を認められたルルッタが王位継承を約束されたその矢先、突然ゲイルが倒れてしまう。
憔悴したゲイルが言うには、水神の力を使い過ぎたせいでこのままでは消えてなくなってしまうという。力を取り戻すには婚姻という契約を履行するために、ルルッタを抱くしかない。姉に寝取られた元恋人に未練があると勘違いするゲイルは玉砕覚悟で打ち明けた。
ルルッタはゲイルに抱きつき、自分の想いを告げる。
「大好きよ、ゲイル。ずっと傍にいて……」
二人は一生を共に歩むと誓い、深く愛し合った。
数年後、戴冠式を迎えたルルッタの隣には変わらずゲイルがいた。
クルスでは軍備が縮小され、一妻多夫制は廃止された。
二人は末永く幸せに暮らしたのだった。
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「いいでしょう。契約成立です」
隣国クルスの姫との縁談を断るために、妻を雇ったラルフ。
最大の誤算は妻役の令嬢に惚れてしまったこと!?
※妻を雇う際は計画的に。相手の容姿や性格をよく見極めてからにしましょう※
2022/8/27 完結しました★
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