ブラウン管の中の彼女


「祐ちゃ~ん♪」


実早は家につくと祐ちゃんの部屋の窓をコツンと叩いた。


祐ちゃんと実早の部屋はちょうど塀を挟んで隣。


さらに家同士が結構近い。


だから窓から入れたんだよ~?


そのまま様子をうかがっていると、カチッと鍵を外す音の後に窓ガラスが開いた。


「何…?」


祐ちゃんはパジャマ姿で軽く目を擦っていた。


「もしかして…寝てた…?」


「……今、夜中の2時だよ…?」


祐ちゃんは口に手をあて、欠伸をかみ殺した。


ありゃ…?


仕事が終わって祐ちゃんに会えるのが嬉しくて時間のことを忘れてたみたい…。


「ごめんね…起こして…」


実早…最悪じゃん…。


祐ちゃんの眠たそうな目が今度は柔らかく実早を見つめる――…。



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