ブラウン管の中の彼女


「いいよ。実早ちゃんの突然の行動には馴れてるから」


祐ちゃんはニコッと笑って実早の心を簡単に元に戻してくれる――…。


祐ちゃんのこういう優しい所が好き…。


誰にだって嫌な顔ひとつせず、公平に優しい…。


そんな祐ちゃんの“特別”になりたいって思い始めたのはいつから…?


実早にだけに優しくして欲しい…。


実早だけを見て欲しいって思うようになったのはいつ…?


実早は…

祐ちゃんの“特別”になりたい――…。







「それで…こんな夜中に何の用事…?」


祐ちゃんの笑顔に見とれていた実早はハッと我に返った。


「えっと…」


どうしよう…。


ホントは祐ちゃんが好きっ!!って言って無理矢理押し倒すつもりだったんだけど……。


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