ブラウン管の中の彼女



「あのね…もし、好きな人に好きだって気づいて欲しかったら祐ちゃんならどうする…?」


実早は祐ちゃんの方が見れなくなってしまった。


お願い…気づいて…っ…。


祐ちゃんのことが大好きな女の子が目の前にいるの…っ!!


実早はぎゅっと膝の上の拳を握りしめた。














「……」


返ってきたのは沈黙…。


祐ちゃんはどことなく暗くなって黙ってしまった。


「祐…ちゃん…?」


実早は祐ちゃんの顔をゆっくりのぞき込んだ。


なんでそんなに辛そうな顔するの…?


「僕なら…何もしない…」


祐ちゃんの少し低い声が静かな部屋に響き渡った。



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