ブラウン管の中の彼女
「好きだって伝えたって振られるくらいなら今まで通りの関係でいる…」
実早は大きく目を見開いた。
信じられなくて…。
祐ちゃんの言葉が残酷なくらい胸に突き刺さる。
それって…
まるで…
実早が祐ちゃんに振られるみたいじゃない…。
「相談ってこのこと?」
実早は俯いたまま何も考えられなかった。
「上手くいくといいね…」
祐ちゃんは実早の頭を軽くポンポンと叩いた。
こうやって頭を触られるのが大好きだった。
祐ちゃんのあったかさが伝わってくる気がするから…。
でも今はつらい―…。
ねえ…祐ちゃん…?
実早が好きなのは祐ちゃんだよ…?
祐ちゃんは実早が他の男の人のことを好きだと思ってる…。
それなのに上手くいくといいねって…。
実早のことはどうでもいいの…?