ブラウン管の中の彼女



どうしたら祐ちゃんは実早を女として見てくれるんだろう…?


ただの幼なじみじゃ嫌なの…!!


近くにいるのにもどかしい。


ううん…。


近くにいすぎるからもどかしいのかもしれない―…。


ワガママな実早と優しい祐ちゃん…。


わがままを言うのは実早のことで困って欲しいから…。


でも祐ちゃんに実早のわがままの意味は伝わってなかった。


祐ちゃんの鈍感…。


バカ…。


心の中で散々悪態をついたって最後に行き着く想いは同じ。





“好き――…”








決めた…。


明日の朝


祐ちゃんにちゃんと好きって言おう…。


きっと…
何かが変えられるはず…。


涙を拭う。


実早は明日の決戦にそなえて大きく伸びをした――… 。



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