ブラウン管の中の彼女

「久しぶりに祐ちゃんのご飯が食べれる~♪」


昨日までロケで地方に行っていた実早ちゃんは久々の休みとあってすごくご機嫌だ。


「実早ちゃん、すぐ出来るから待っててね?」


荷物をおくと早速台所に立つ。


「うんっ!!」


可愛く微笑む実早ちゃんに僕の心の奥が暖かくなる。


いや、可愛いんです。


本気で。


透き通るような白い肌にほんのり赤い頬。


サラサラの髪に黒くて大きい瞳。


僕が言うのもなんだけど…。


すごく可愛い…。


ただし…。


「祐ちゃん~♪」


背後から忍び寄ってきたただならぬ気配に僕はさっと体をずらす。


「あ――!!もう!!動いちゃだめ!!」


実早ちゃんはぷうっと顔を膨らませて僕を見た。



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