ブラウン管の中の彼女
「んっ…」
祐ちゃんは寝ぼけているのか実早に抱きついて離してくれない。
キスに酔ってしまいそう…。
祐ちゃんとキスしてる…!!
実早の頭の中は祐ちゃんで一杯。
「ん―…」
徐々に祐ちゃんの腕から力が抜けていく。
祐ちゃんはそのままぐっすり夢の中――…。
実早も夢見心地で放心していた。
ミイラとりがミイラになった…?
実早…
祐ちゃんとキスしちゃいました!!
ドキドキの止まらない心臓と否応がなしに火照る顔。
そっと唇に触れてみる…。
祐ちゃんの唇の感触が残ってるみたい…。
祐ちゃん…好き―…。
お願い…。
実早のことを好きになって?
お伽話にでてくるお姫様みたいにおしとやかに待っていられない。
実早は今度は自分からそっと祐ちゃんに口づけた――…。