ブラウン管の中の彼女


実早ちゃんに好きな人がいたって僕には関係ないじゃないか…。


だからやめるんだ…。


これ以上考えたって仕方ない。

いい加減、踏ん切りつけろ!!


そうだろう?祐一郎!!


僕は大きく頭を振った。


「そういや…お前の幼なじみってあの福永実早と同じ名前なんだなぁ?」


ギクッ!!


太一の何気ない言葉に心臓が跳ね上がった。


太一は“福永実早”と実早ちゃんが同一人物だって知らない。


実早ちゃんは僕達とは違う芸能科のある学校に通ってるから接点もない。


さらに太一は…


「まあ、福永実早とお前のワガママな幼なじみを比べるなんてそもそも間違ってるけどな~♪」


太一は実早ちゃんのファンだったりする…。


“福永実早”が実早ちゃんだって分かったら…。


…………


太一、いや学校中の人を敵にまわしそうだ。



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