ブラウン管の中の彼女
4
あの日から3日―…
鳴らない携帯を見つめながらボーッとする時間が増えた。
実早ちゃんが泣くのを見るのは久しぶりだった。
最後に見たのはいつだったかな…?
「おい!!祐っ!!」
手形が残りそうなくらいバシンと強く背中を叩かれた。
「っ―!!」
痛いっ!!
なんで太一はこんなに乱暴なんだ!!
しかも背中なんてさすることも出来ないじゃないか!!
「知ってるか?今日は福永実早が生出演の番組があるんだぜ♪」
太一は今にも走り出しそうな勢いだ。
「…そう」
僕にはもう関係ない…。
「振られたくらいでそんなにへこむなよ!!こういう時はテレビでも…」
太一の声に覆い被さるように電子音が響いた。
僕は携帯を掴むと急いで廊下に出た。