ブラウン管の中の彼女


「それでは最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします」


生放送が終わりに近づくと司会者はそう言った。


実早ちゃんは椅子から立ち上がると画面に向かってニッコリ笑った。


そして…。










「祐一郎のバカ――――――っ!!!」










僕はその場にひっくり返りそうになった… 。


「…み、実早ちゃん!?」


突然叫びだした実早ちゃんに驚いているのは多分僕だけじゃない。


その証拠に司会のお姉さんも口をあんぐり開けていた。


「ただの幼なじみとしか思ってないのは祐ちゃんじゃない!!」


実早ちゃんの目には涙が浮かんでいた


実早ちゃん…?



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