ブラウン管の中の彼女

「今の…本当…?」


扉によりかかりながら姿を現した実早ちゃんの目は真っ赤だった。



「本当だよ…」


他の誰がなんと言おうと僕は実早ちゃんが好きだよ。


今だって、僕のために泣いていたのかと思うとたまらなくなる――…。


僕は躊躇いながらも実早ちゃんの頬に手を触れた。


親指で涙を拭ってあげると、実早ちゃんは更に涙を溢れさせた。


「嬉しい…」


微笑んで僕を見る実早ちゃんは息を飲むほど綺麗だった…。


「好きなの…大好きなの―…」


「うん―…」


何度も繰り返される言葉。


それに応えるかのように僕は実早ちゃんの細い体を抱き寄せた。



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