ブラウン管の中の彼女
仕方ない…。
実早ちゃんの可愛いわがままもそろそろ慣れた…。
「わかったよ…」
僕は覚悟を決めると…
唇を重ねた――…。
実早ちゃんから漂う甘い香りが鼻をくすぐる。
夢みたいだ―――…。
一瞬だけ触れた唇の感触がいつまでも残っていればいい。
「もっと~~っ!!」
顔を離すとぷうっと実早ちゃんが怒り始めた。
「実早ちゃん!!」
赤い顔を隠しながら僕は実早ちゃんから顔を背けた。
「祐ちゃんは実早のことが好きじゃないんだ!!」
実早ちゃんは今度はすね始める。
「いや、何でそうなるの…?」
僕だって散々悩んだ挙げ句にここまで来たんだよ…?
好きでもないなら来ないでしょ?普通は。