ブラウン管の中の彼女



「すいません…」


実早ちゃんの居眠りに対してなのか、公共の電波で告白されたことに対する謝罪なのか僕にもよくわからなかった。


「まあ、実早のお世話係は祐くんしかいないしね」


実香さんはウンウンと頷くと、今度は実早ちゃんを起こしにかかった。


「み、は、や!!起きなさい!!」


「……ママ?」


実早ちゃんは眠そうに目を擦っていた 。


「いちゃつくのは終わり!!次の仕事に行くわよ!!」


「え―――っ!!」


実早ちゃんは繋いでいた手を更に強く握った。


実香さんのお説教中でも離さなかった。


「実早ちゃん…行かないと…」


実香さんの視線が痛い…。


「……やだ。」


実早ちゃんの声はか細くなった。



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