ブラウン管の中の彼女


「……おはようのチューは…?」


祐ちゃんの腕に絡みついて上目遣いにねだる。


実早のとっておき。


これでもかってくらい胸を寄せる。


でも…


「……冗談はほどほどにしてね?」


祐ちゃんは苦笑いして部屋から出ていってしまった。


「祐ちゃんのケチンボ…」


取り残された実早の呟きは虚しく響いた。


祐ちゃんに告白(?)してから3ヶ月――…。


祐ちゃんは…


祐ちゃんは………


変わらないんです…。


普段の態度から実早の扱い方まで何から何まで告白前と全く一緒。


実早としては毎日、甘々でラブラブな生活を送りたいわけよ!!


片想いが長かったし?


祐ちゃんとキス…はしたけど、テレビ局でしたっきり――…。


ふと、浮かび上がる疑問。


祐ちゃんは実早が本当に好きなの…?



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