ブラウン管の中の彼女

「今日は朝練があるんだ」


竹刀と防具という大荷物を抱えた祐ちゃんがいつもより凛々しく見える――…。


「祐ちゃんかっこいい~~!!」


ご飯粒を頬にくっつけながら実早は祐ちゃんに抱きついた。


「うわっ!!」


バランスを崩した祐ちゃんは実早とともに床に倒れた。


「っ―…」


実早は前から抱きついたから、祐ちゃんは後頭部を床にぶつけた。


「あは♪ごめんね、祐ちゃん★」


ちょっと勢いがつきすぎちゃった♪


「ごめんね~?」


「……実早ちゃん、どいて…?」


はたっと自分の状況に気がついた。


祐ちゃんの体を跨いで床に押し倒してる…


もしかして…チャンス!?


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